定価はおよそ120万、TARMACウルトラライト、塗装も薄くて軽い特別仕様のモデル。TARMACはスピードも出るし、軽いからヒルクライム山岳にも強い。グランツールでいうエース級が使うモデル。まさにオールラウンダーなバイク。そんなSPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL6についてCycleparadiseメカニック・ナカタさんに語っていただきました。

流行のフレーム形状。そして小さくなったリア三角・・・

——SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL6について

ナカタさん:まずSL5からSL6に変わってリア三角がちっちゃくなった。最近の流行りですね。
BMCが最初にやり始めた形ですけども、最近は各社が追従するようになって小さいリヤ三角が増えた。個人的には嫌いな形なんですごくガッカリしました(笑)
この前のモデルはトップチューブからシートステイが伸びてて、細いシートステイがそこで振動を吸収する感はあったんですけど、リア三角が小さくなったらまた太くなってっていう色々な試行錯誤のあとが見えますが、形的にはあまり好みじゃない(笑)
ただ前に進むことを追い求めていったら各社この形になっていくんですかね・・・。
コンピューターでシュミレーションとか解析すると仕方がないのかなっていう気がします。

SL6
スペシャライズド エスワークス TARMAC SL6

SL5

スペシャライズド エスワークス TARMAC SL5

*トップチューブの先から伸びているSL5に対し、ドロップドシートステー採用のSL6はその2つが交わっていない。

速さの秘密はスルーアクスルになったことによる影響が一番大きい?

——ディスクブレーキについて。

ナカタさん:リムブレーキ仕様のキャリパーも出てるんですけども、ディスクはディスク専用の。他社でいうとリムブレーキモデルにディスクをつけましたっていう、ここしか違わないとか、そういうモデルが多いんですけど、SPECIALIZEDの場合は専用設計ですね。ディスクはディスクとして、若干ジオメトリーが違うとか・・・、そうゆうところがおすすめです。フォークの剛性とかはスルーアクスルの恩恵が大きいモデルです。
いまディスクロードが流行ってて速いと言われてますけど、それはディスク云々じゃなくて、スルーアクスルになったことによる剛性の影響が一番大きいのかなと。
多分リムブレーキでスルーアクスルにすれば似たような乗り味は出せるのかなと思ってます。

——ディスクブレーキの恩恵って実のところあまりない?

ナカタさん:スピードにおいてはあまりないと思います。で、ディスクの分張り出してるし、スポークが横に張り出してるんでその点も結構・・流体力学の面からして不利だなって。その辺は賛否両論ありますけど、リムブレーキでスルーアクスルが出てくれないかなっていつも思ってる。
グランツールのエース級もディスクには乗らないし、みんなリムブレーキ。そういう理由があるんですよね。ホイール交換が面倒とか、トラブった時の対処が、まだちょっとリムブレーキの方が対処しやすいのかなって。

ディスクブレーキ/ディスクローター
ディスクブレーキ
スルーアクスル
スルーアクスル

*クイックレバーよりも太いため剛性が高い。ダウンヒルなどハードなライディングに向いている。

やはりシマノが使われる理由・・・

——コンポーネントについて

ナカタさん:シフト/ブレーキレバーはR9100系のDI2、しかも油圧です。ま、最新型です。クランクはS-WORKSのクランク、これはこれで素晴らしいクランク。軽くて、剛性がある。でもチェーンリングに関しては難あり。チェーンリングに関してはやっぱりシマノがダントツです。シマノはクランクがどうこう言うより、チェーンリングの違いがこのフロントの変速の違いを生み出すと思っているので、みんながシマノを使う理由はそこだと思っています。DI2に1回慣れちゃったらもう戻れないってよく言われてます。僕もそうだと思いますし、これにしたらゴールだなって感覚がありますね。

重量に関しては6.8kgをきっちゃってますね。
UCI(Union Cycliste Internationale)インカとかのレースですと重りを乗っける系の軽さ。だからヒルクライムではすごい。で、ホイールはCLX32。50じゃなく30。登りに特化したヒルクライム用。まあ、いかにも走りそうで登りそうなホイール。今CLX50と32ってのが評判がすごい高くて相当いいスペックなんじゃないかな。
まあSPECIALIZEDなんでS-WORKSのパーツを付けとけば間違いない。TARMACの現在進行形。今年はニューモデルが出るかなとは思ってたんですけど、その前に新型ルーベが出ちゃったんでTARMACは来年かなっと思ってます。その時にこのデザインがまたどうなっているかですね・・・。このスタイルの路線でいくのか、軽量化アップをふんだんに取り込んで5キロ台を目指したいですね。クランクもパワーメーターにしたいですね。このウルトラライト特有のこのロゴ、かっこいいですよね。
でも買いたくはないです。もちろん乗りたいですけど・・・なぜかと言えば、コンタドールがこれに乗ってないから(笑)

ここからは余談です・・・

ナカタさん:コンタドールは引退しちゃったんですけど、16年までSPECIALIZEDの供給を受けてて、17年にトレックにいっちゃいました。トレックのエモンダにずっと乗ってたんですけど、クライマー用のバイクですね。そのとき僕もトレックに乗り換えなきゃいけないのかなあって思ってたんですけど、、トレックの良いところはプロジェクトワン。
僕の乗ってるコンタドールレプリカは日本国内で40台しか作ってなくて、後から手に入れたいと思っても手に入れられないんですけど、トレックはプロジェクトワンなのでいつでも注文できるんですよ。コンタドールモデルが欲しいと思ったらそれを注文すれば良い。それがトレックの良いところ。
で、コンタドールが18年に引退して、もういいかな・・・と。そういった理由でコンタドールの乗っていないコレ(SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL6)は買わないです(笑)
良さそうなんですけどね、そこに行き着いちゃうわけです。そうなんです。まあ、幸いなことに、ピーターサガンがSPECIALIZED乗りなので(*注:ナカタさんはサガンも好き)。もしやるとしたらサガンモデルをレプリカすると思いますね。もしサガンモデルを買うなら、サイズまでレプリカしないとダメなんだろうなって思ってます。すでにサガンが今なんの部品を使ってるかとかもリサーチしてるんで。
そんなわけでSPECIALIZED以外、僕は考えられないですね。ヒゲも伸ばして。スネ毛も伸ばして(笑)

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